2016年3月1日

パリはもっと素敵になっていく!のお話

昨年11月の痛ましい同時多発テロから、まだ重いイメージが残るパリ。

観光客が激減という、これまでにない状況に直面していますが、そこはフランスの逞しい精神性で、積極的に挽回をはかっています。
安全対策を強化し、同時にパリらしく自由を尊重。素敵なツアーや、観光客の母国に合わせたおもてなしなど、これまで以上に工夫を凝らしています。

昨日、パリ市のアンヌ・イダルゴ市長と、ヴァレリー・ぺクレス、イル==フランス地域圏議会議長が来日。フランス大使公邸で「パリの今と未来」について講演を行いました。ちなみに、お2人とも女性!
 
フローラン・ダバディ氏が司会を務め、滝川クリステル氏、華道家の假屋崎省吾氏をはじめ、パリを愛する方々が登場、魅力をお話するというなかなか豪華なイベント。
顔ぶれだけでもフランスの麗しい空気が、会場に充満していました(笑)



印象に残ったのが、未来に向かって進化し続ける、パリの街づくりのお話。

まさに現在進行中の、パリ再生プロジェクトに携わっている日本人建築家2人が、驚くようなプランをお話されました。

お一方は、藤本壮介さん。
ベネチア・ビエンナーレ国際建築展での金獅子賞をはじめ、数々の受賞歴をお持ちで、国内外を問わず活躍されている建築家。17区ペルシング通りの再開発を担当されています。

そのコンセプトは「環状道路の上を浮遊する森に包まれた村」。
えっ〜? 浮遊する森ぃ〜?? 

どんなものかというと・・・

広い道路の上を渡す形で作られている、柔らかな曲線の大型客船のような建物。
その一階と屋上部分、木々が茂る森になっているんです。中は、保育園から会館、レストランまでありの、まさにヴィレッジ。

たしかに図案によると、森に囲まれた宇宙基地が、空に浮いているように見える〜(笑)

建築物と自然の融合をめざした、持続可能なモデルケースとして注目されています。

もうお一方は、田根 剛さん。
「とらやパリ店」のリニューアル、グランパレでの「北斎展」などを担当された方です。

彼が手がけるのは、庶民的なエリア、13区。
ここで、いまは廃駅になっている1863年築の歴史的建造物、マセナ駅を利用する「メセナ食の循環」プラン。
建物を単なる器としてリニューアルするのではなく、「エコロジカルなバベルの塔」として、生産者と消費者のダイレクトな対話を促進するというものです。

お2人とも、発想の源が「建物」にとどまっていない。
その場で紡がれていく、人間の未来のストーリーを見据えている! 

建造物って、未来へ続く、いのちを守り育む空間なんですよね。ついカタチばかり目がいきがちだけど。
古いものを守るとか、斬新にするとかじゃない。みんな繋がっているという視点。
原点回帰で未来的。日本人の精神も感じるし。なんて素晴らしい♫と感動!

多角的アングルから、アイディアを柔軟に取り入れていくパリ、いっそう素敵な街になっていくに違いありません。

これ、ぜひ日本へも逆輸入して欲しい〜(笑)と思ったのでした。

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